現場で見た!! マレーシア進出の資金的失敗4つのパターン
想定外の壁に行く手を阻まれることも多い海外進出。事前に想定していた事業計画よりも、お金と時間が掛かる事も多いのです。資金的に余裕の少ない中小企業にとって、海外進出に掛かるコストは頭の痛い問題です。マレーシア進出の成功のためには、現実的な資金計画が必要です。
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海外進出支援の現場で見た資金的失敗の4パターン
海外進出支援の現場で見ていると、楽観的希望をもって海外進出にチャレンジし、資金的な課題から海外進出を断念する企業も少なくありません。
1.想定外の課題発生。海外進出資金が底をついてしまう
海外進出の現場で見ていて最も残念と感じるのは、最初のステップは比較的上手く成功したものの、継続的なビジネスに発展する前に、資金が尽きてしまうパターンです
- バイヤー側の製品評価も高かったが、現地テストを要求されその資金が捻出できなかった。
- 最初の受注までを半年と想定していたが、現実には一年程度掛かる事がわかった。
さまざまな理由から、事前の事業計画を変更しなければならない課題に直面し、それを乗り越える前に資金が尽きてしまうパターンです。
2.助成金頼みの海外進出資金計画
日本企業の海外進出を援助するために、さまざまな助成金や補助金が、毎年支給されています。 これらの助成金を必須の資金とした事業計画を考えて、海外進出を計画している方もいらっしゃいます。
助成金を活用することは、海外進出のリスクを低減するために、非常に有効です。しかし、助成金自体は数年しか支給されません。海外進出の場合、想定外の時間が掛かる場合も多いのです。助成金はあくまで海外進出のリスク低減の為に活用するべきです。
3.資金は他力本願 製品は日本で資金は海外で
中小企業からのご相談で多いパターンが、製品は日本側が担当するので、資金は進出国側に出してほしいというパターンです。
- 大手企業も持っていない特許技術だから・・・。
- 実績はないけれどその国の課題を解決できる(はず)・・・。
- 日本の伝統的工芸品だから富裕層は欲しがる(はず)・・・。
さまざま理由から、自社製品やサービスが売れることに確信を持っていらっしゃいます。一方、お金を出す海外側は、全く異なった視点からあなたを見ています。
- 自分のお金も出さずに真剣にビジネスに取り組むわけがない。
- フェアでない。なぜ私だけが資金的リスクを負担するのか。
- 半年で利益が出て、1-2年以内に投資金額が回収できなければ魅力がない。
現地の事業家にご相談した際に、実際に私が聞いた反応です。あなたの製品やサービスが海外側に余程魅力的に映らなければ、全額の出資は見込めないでしょう。
4.海外市場で起死回生。社運を掛けた海外進出
海外進出によって、あなたの顧客が大幅に広がる可能性が高いことは事実です。インターネットの発達もあり、従来と比較してマーケティングコストが劇的に下がったことも事実です。それでも、進出国向けの最低限のマーケティング、PR、パッケージングが必要な事に、変わりはありません。
海外進出に社運を掛けて、起死回生の一発逆転の賭けにでることはおすすめしません。途中で球が切れては、本当に討ち死にしてしまいます。海外進出で一発逆転という成功物語は、めったに起こりません。
余裕のある資金をともなったマレーシア進出が成功のポイント
海外進出においては、想定外の課題に備える事が必須です。思ったように売上が伸びなくても、1-2年は現地で試行錯誤ができることが、海外進出の成功につながります。これを支えることができる日本国内での売上がある時期に、海外進出にチャレンジすべきです。
大きな資金が無ければマレーシア進出で成功できないのか?
多くの中小企業の場合、大手企業のような資金的余裕がないことも現実です。しかし、あなたの資金計画内でできる海外進出の方法は、いくらでも見つける事が可能です。インターネットと物流の発展が、それを可能にしています。
楽観的希望や他社の成功事例を真似るのではなく、あなた自身の海外進出を継続的に行っていくことが、海外進出の成功に繋がります。