マレーシア進出に際してハラール認証は取得するべきですか?

2018-07-22ハラール認証 / ハラール産業,マレーシア進出支援


マレーシア、インドネシアへの進出については、非常に注目されています。しかし、様々な要因から、日本企業の市場開拓の取り組みは、大きく進んでいるようには見えません。この最も大きな要因の一つが、イスラム教の禁止事項(ハラーム)です。日本では、豚肉やアルコールを食べることができない事が知られています

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ハラール認証の必要性

現在のイスラム教徒の生活にも、様々な新しい製品やサービスが入り込んでいます。そのため、その新しい製品が、ハラームにあたらない、つまり安心して使うことができるかどうかの判断が、一般のイスラム教徒では難しくなっています。その点をクリアにしているのが、ハラール認証制度です。

ハラール認証は、その製品やサービスがハラームに該当しない事を証明しています。マレーシアのスーパーに行くと、多くの製品にそれが添付してあります。この認証制度は、マレーシアで最初に確立され、他国に広まっていきました。

その食品やサービスがハラールかどうかについては、イスラム教徒自身でも、簡単に判るものではないとのことです。私自身の知識や経験だけで、ハラール認証やその取得について、間違いなくお伝えできる物ではありません。そのため、その詳細等については、ここではお伝えいたしません。

ハラール認証についての誤解

ハラール認証について日本企業の方が理解しておくべき事は、それが信仰の問題であるということです。日本企業の中には、ISO9000やJIS規格等と同様に認識しているところもございます。

ご承知の方もいらっしゃると思いますが、インドネシアで製造された味の素に豚由来の酵素が使用されていたとして、現地法人の社長が逮捕された事例が発生しています。ハラームに抵触するものを食べるということは、イスラム教徒であることの根幹に関わる問題なのです。

ハラール認証は取得すべき?

ハラール認証を取得すべきかどうかについては、さまざまな意見があります。私は、現時点で取得していなくても良いが、将来的に取得することを考慮に入れるべきとお伝えしています。それには、いくつかの要因があります。

1.マレーシアのハラール認証制度の成功

マレーシアは、ハラール認証制度を活用することによって、経済的な成功を収めています。この成功を見て、シンガポール、ドバイ等がそのビジネス化を進めています。そのため、今後更にこの制度は広まることが予想されます。

2.東南アジア諸国の経済成長によるイスラム教的価値の向上

マレーシアとインドネシアは、現在急速に経済成長しています。そのため、基本的な生理的欲求は急速に満たされ、今後は精神的欲求や価値が重視される社会になると考えられます。その結果、イスラム教的価値が高まり、ハラームが厳格に求められる可能性があります。

3.マレーシアの現状からみた消費者の意向

ミネラルウォーターにはられているハラール認証

現在、マレーシアのスーパーでは、ミネラルウォーターにもハラール認証マークが付いています。今後、ハラール認証マークが付いていることが、消費者に選ばれる最低限の条件になる可能性があります。

マレーシアはイスラム教徒だけでなく、中国系、マレー系等が混在する多民族国家です。また、人口と同数の観光客が訪れる観光立国でもあります。このことから、ハラール認証を取らなくてもビジネスになるとの判断もできると思います。しかしながら、多民族国家であるからこそ、誰でも安心して消費できる商品が求められる側面もあると思います。

このような事から、私は、マレーシアへの進出をお考えの企業には、現時点では取得していなくても、将来的にはハラール認証の取得を視野に入れたビジネス展開を検討するよう、お勧めしています。