なぜジャカルタにハラールな日本食?4成功の二つのポイント

2018-07-22ハラール認証 / ハラール産業,インドネシア進出支援

インドネシアのジャカルタに視察に行ってきました。ジャカルタの地元の方向けの日本食レストランをお客として訪れ、人気メニューを実際に食べてきました。この視察において、イスラム市場進出やムスリムインバウンドを成功させるための、新たな気づきがありました。



イスラム市場進出、ムスリムインバウンド成功のための二つのポイント

  1. ムスリム消費者の嗜好に合わせる(現地化)
  2. ムスリム消費者が納得できるハラールであることの証

ムスリム消費者の嗜好に合わせる(現地化)

インドネシアと同じようにマレーシアでも日本食は人気です。マレーシアとインドネシアの両国で流行っている地元向けの日本食レストランを見ると、味や価格面等で現地の嗜好に合わせる現地化が、重要なことがわかります。

いくら価格が安くても味覚に合わなければ売れません。いくら美味しくても購入できない高価格では売れません。その双方が合致して、初めて人気店になるのです。これは、日本食レストランだけでなく、全ての商品・サービスに共通する、当たり前の事です。

「日本製品は人気だから高価格でも売れるはず」「日本製品の良さは必ずわかってもらえるはず」という海外進出の際に良く伺う考え方は、日本人側の都合でしか無いのです。

ムスリム消費者が納得できるハラールであることの証

今回の視察で再認識させられた最大のポイントは、8割以上がムスリムのインドネシアにおいて、ムスリムが経営するお店であっても、ハラールであることを明確にすることが求められる場合がある、ということ事です。そのために、お店側はメニューにハラールであることを明記したり、ハラールマークを取得したり、様々な努力を払っています。

インドネシアでさえこの状況なのです。日本人によるイスラム市場進出やインバウンドの取組においては、更に努力と工夫をしなければムスリムの消費者に受け入れて頂くことは難しい、と改めて実感しました。

ハラール対応で重要なポイントはムスリム消費者の納得感

ムスリムの方にハラールであると納得して頂く為の一つの手段が、ハラール認証やハラールフレンドリー認証です。そのため先進的な日本企業を中心に、ハラール認証やハラールフレンドリー認証の取得事例が増えています。しかしそれを取得したからといって、ムスリムの消費者の方に、あなたの製品やサービスがハラールであると納得してもらえるわけでは有りません。

今回視察したインドネシアの日本食レストランでは、国内のモスクが発行するハラール認証を取得していました。このレストランを利用するムスリムのお客様は、このハラールマークが本物であることを、ある程度簡単に検証できます。なぜなら、それを発行したモスクが、現在住んでいる国内にあるからです。

一方、かれらが日本企業が日本で製造した商品や旅行中に日本のサービスを利用する場合には、ハラールであることの検証が簡単にはできません。電話したくても日本語ができません。ツアーを外れて、ハラールマークの認証団体を訪ねたりすることもできません。

このような状況におかれている海外のムスリム消費者に、あなたの製品やサービスがハラールであると納得していただくためには、ハラール認証を取得すれば終わりでは有りません。

  • そもそもハラール認証を取得することがベストなのか。
  • ハラール認証を取得する以外にベストな方法はないのか。
  • どこの認証団体のハラール認証を取得することがベストなのか。

かれらがハラールであると納得できる方法について、徹底的に考え抜く必要があるのです。

マレーシア、インドネシア等のイスラム市場で成功するためには、

  1. 現地の方の嗜好に合わせ
  2. ハラールであることを納得していただく

ことが重要です。

そのための手段は一つではありません。あなたの製品やサービスによって、それぞれにベストな手段があるのです。