ハラール認証取得してもマレーシアでは売れない?
マレーシアやイスラム市場進出を検討している日本企業にとって、ハラール認証は、避けて通れない重要な課題です。しかし、ハラール認証を取ったからといって、あなたの商品やサービスが売れるわけではありません。マレーシア進出を成功させるためには、ハラール認証を取得する前に、やるべき事があります。
ハラール認証取得に走る日本企業
マレーシア進出やイスラム市場進出に注目が集まるなか、日本の中小企業の中にも、ハラール認証を取得された先駆的な企業が出てきています。
しかしマレーシアから見ると、日本企業のハラール認証取得熱には、疑問を感じる点があります。
- ハラール認証を取得したからといって、マレーシアで売れるわけではない
- マレーシアの消費者にお伺いすると、日本のローカルハラールへの信頼感が、正直に言ってほとんど無い
売るためにはマレーシアの嗜好に合わせる必要がある
日本企業製品については、「品質が高い」「信用できる」等の肯定的評価をされていることは事実です。しかし現実には、自動車等一部の領域以外では、マレーシア市場のメインプレイヤーではありません。
この事実は、中国、韓国、アジアの製品やサービスが、日常的なレベルでは、十分に実用的な水準にある事を示しています。そして、かれらの商品やサービスが、価格、パッケージング、嗜好等の点で、マレーシアの消費者に受け入れられていることを示しています。
日本企業が先ずやるべきことは、これらの先行した商品を研究し、マレーシアの消費者に受け入れられるカスタマイズを行う事ではないでしょうか。
ハラールでなくても売れるマレーシア市場
マレーシアには、イスラム教徒のマレー人だけでなく、約600万人の中華系、約300万人のインド系が住んでいます。かれらの多くはイスラム教徒ではありません。そのため、ハラールに対応していない商品やサービスでも、利用して頂く事が可能です。
現在、あなたがお持ちの商品やサービスでも、内容に大きく手を加えずに、マレーシア進出が可能なのです。
ハラール認証取得は、マレーシアで売れてからでも遅くない
このようなマレーシアの特性を利用すれば、ハラール認証を取らなくても、マレーシアで実際に販売しながら、商品のカスタマイズを行うことができるのです。そして、一定の売上が上がった段階、あるいは、売れる手応えを得た段階で、マレーシアハラールを含む、適切なハラール認証を取得することが可能なのです。
このような方法でハラール認証を取得すれば、マレーシア進出のリスクを最低限に抑えることが可能です。なぜなら、テスト的なマーケティングの結果ではなく一定の販売成果をともなって、ハラール認証取得に投資をすることができるからです。
この方法をご紹介されて頂く背景には、マレーシア消費者の日本のローカルハラール認証への信頼度が、ほぼ無いと感じられることがあるのです。マレーシア進出前に日本でローカルハラール認証を取得しても、その費用が無駄になる可能性があるのです。
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マレーシアやイスラム市場への注目が集まる中、ハラール認証は、非常に注目を集めるトピックです。しかし、ハラール認証が付いているからといって、売れるわけではないのです。売れるためには、マレーシアの消費者に受け入れられる必要があります。これは海外でも日本でも同じです。これからマレーシア進出やイスラム市場進出を検討されている方は、この点について、今一度ご認識ください。