日本企業が陥りがちなハラール認証への誤解

2017-06-26ハラール認証 / ハラール産業

マレーシアやドバイなどのイスラム諸国でのビジネスでは、ハラール認証制度について理解しておく事が必要です。「イスラム教の人は豚肉とお酒が駄目なのでしょう」宗教が空気のように習慣に組み込まれている日本人の感覚で、ハラール認証を考えている日本企業も少なくありません。この誤解が、イスラム市場進出の際のトラブルになる可能性があります。

日本人が陥りがちなハラール認証にたいする誤解

ハラール認証に関して日本企業の方が陥りがちな誤解は、それを日本の食品衛生法の様に理解してしまう事です。敬虔なイスラム教徒にとって、宗教に則った生活をおくることは、非常に重要なのです。

ハラールでないと判っている食品を、イスラム教徒の方に試食させてしまったら・・・。大きなトラブルになった事例をお聞きしたことがあります。

イスラム教の視点から良くない行いを、イスラム教徒の商売相手にしてしまったら・・・。彼自身の行動や言動から、アラブ人ビジネスマンに避けられている日本人ビジネスマンがいらっしゃいます。

宗教に則って生活する事の重要性を意識することは、日本人の宗教観では難しいと思います。それを実感することは、自らイスラム教に帰依し実践しないとできないのです。このような認識を持って、イスラム市場でのビジネスを実践する事が重要です。

多宗教国家マレーシアで始まったハラール認証

ハラール認証を制度化し推進してきた中心は、マレーシアのJAKIM(マレーシアイスラム開発局)です。その審査基準は、世界で最も厳格と言われています。

マレーシアは、イスラム教徒のマレー人(ブミプトラ)、中国人、インド人等から構成されている多民族、多宗教国家です。このような社会状況の中で、イスラム教徒が安心して生活するために、ハラル認証制度が開始されたと考えられます。

ハラール認証が必要なかった中東イスラム市場

ドバイでスーバーやレストランを利用する際には、ハラール認証制度について意識させられることは、ほとんどありません。中東は、もともとイスラム教徒が大多数を占める地域です。宗派が違っても同じイスラム教徒です。市中に出回っている全ての商品やサービスが、ハラールに則っている事が当たり前なのです。

ビジネス化するハラール認証制度

ハラール認証制度を立ち上げたマレーシアは、この認証制度が将来的にイスラム市場の中でビジネスの重要なキーになると考え、戦略的に推進してきました。

中東で輸入される牛肉の多くは、オーストラリアやニュージーランドからマレーシアに輸入され、そこでハラール認証を取得して、中東地域に輸出されています。

ブラジルでは、ハラール認証制度を活用してチキンの輸出を伸ばしています。全てのチキン製品の加工を、初めからハラール認証制度に対応して行っています。その結果、世界のどの地域へも輸出が可能になり、輸出量を伸ばしています。

ハラール認証取得時の注意点

ハラール認証の取得やハラールに対応した製品やサービスを開発する際には、適切なコンサルティングを受けることが必須です。

日本でも、イスラム市場でのビジネスに注目が集まっています。その流れを受けて、多くのハラール関連コンサルタント会社が、サービスを提供しています。その一方で、トラブルも増えているようです。

「ハラール認証コンサルティングに関してトラブルが増えている。必ず、日本のイスラム教の宗教団体に相談しながら進めて欲しい。」とハラール認証機関の関係者の方がおっしゃっていました。

マレーシア、ドバイ等のイスラム市場でのビジネスでは、ハラール認証制度への理解は、非常に重要です。しかし、その詳細についてイスラム教徒と同様に知る事は、ビジネス的には必要ありません。イスラム市場進出を考えている日本企業は、次の3点を認識することが、重要だと感じています。

  • ハラール認証がイスラム教に根ざした制度であることを理解する。
  • 日本人の宗教観とイスラム教徒の宗教観が異なることを理解する。
  • ハラール認証の取得の際は、イスラム教の宗教団体に相談することが重要。

 

参考リンク: マレーシアイスラム開発局