ヨックモックがドバイでバカ売れ? その売れる二つの理由

2018-07-22マレーシア進出支援,マレーシアマーケティング


ドバイでヨックモックが売れています。このお話しがマスコミで取り上げられているせいか、私の所にもお問合せが来ています。「本当にドバイでヨックモックが売れているの?」「ヨックモックがドバイで売れている理由は?」 この二種類のお問合せが多いです。イスラム市場側の視点から見ると、ヨックモックのドバイの成功には、二つの理由があると考えられます。これはドバイやマレーシア等のイスラム市場だけでなく、海外進出の成功には欠かせない要因です。東洋経済ONLINEに掲載された下記の記事をテキストに、ドバイでヨックモックが成功した理由について考えてみましょう。

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ヨックモックは本当にドバイでバカ売れ中なのか?

2014年5月にドバイに出店した店舗で11店目を数える までになった。UAEの1番店は、日本国内180店舗の1番店と同程度の売り上げを記録しているという。<span class="su-quote-cite"><a href="http://toyokeizai.net/articles/-/40141" target="_blank">東洋経済ONLINE</a></span>

ドバイのアラブ人実業家の間でも、ヨックモックの成功は注目を集めているとお聞きしています。「日本にはヨックモックのように美味しいお菓子が他にもあるのでは?」そんなお問合せを、アラブ人実業家の方から頂いています。

ヨックモックがドバイで売れている二つの理由

ヨックモックがドバイでバカ売れしている理由は二つあると、私は考えています。

  1. 現地化 (味の嗜好、販売方法等)
  2. 現地パートナー (誰をパートナーとするのか)

アラブ人の嗜好に合っているヨックモック

ヨックモックは、中東のアラブ人へのお土産として、昔から有名でした。その味が、アラブ人の嗜好に合っているようです。また、ムスリムの方にはハラールがあるため、見たことの無いお菓子を口にすることには、ためらいが有るのではと思います。ヨックモックが現地企業とパートナーを組んでいることは、その点で、安心感を与えると考えられます。

アラブ人富裕層の購買意欲をくすぐる販売戦略

見栄えがするよう大きく豪華な皿に山ほど盛りつけたお菓子を指して、「皿ごと欲しい」と言われたこともある。 <span class="su-quote-cite"><a href="http://toyokeizai.net/articles/-/40141" target="_blank">東洋経済ONLINE</a></span>

日本で売られている通常のヨックモックは、正直に言って、高級なお菓子という印象は有りません。しかしドバイでは、富裕層の見栄をくすぐるような販売の工夫がされているのです。

ヨックモックの人気を裏付けるのが、8番目に出したドバイ店舗だ。出店した先はドバイ・モール。<span class="su-quote-cite"><a href="http://toyokeizai.net/articles/-/40141" target="_blank">東洋経済ONLINE</a></span>

ドバイ・モールに出店しているということは、現地では非常に大きなステータスです。そのため数多くのお店が、出店のウェイティングリストに名を連ねています。この記事によれば、常時300社以上が待っているということです。私がドバイでお伺いした話しでは、少なくとも1年待ち、それ以上かかる場合もあるとのことです。ドバイ・モールに出店している=高級品の証なのです。

現地パートナーの活躍

2012年にUAEに進出したきっかけは、現地のパートナー企業からの熱いラブコールに応えたという面もあるが、「数年前から何件も(共同で出店しないかと)お声がけをいただいていた」(髙橋氏)ことも大きいという。<span class="su-quote-cite"><a href="http://toyokeizai.net/articles/-/40141" target="_blank">東洋経済ONLINE</a></span>

ドバイでの日本企業の成功事例に、紀ノ国屋があります。紀ノ国屋の進出のきっかけも、現地パートナーからのラブコールだとお伺いしています。

ドバイは、日本とは異なり「顔」が効く社会です。それは、ビジネスだけに留まらず許認可等にも関わります。ヨックモックがUAEに進出してからまだ2年です。この短期間に11店舗を展開し、ドバイ・モール内に出店しています。短期間でここまで展開するには、現地パートナーの相当の力添えが合ったと考えられます。特にドバイ・モールは、出店まで1-2年待ちと言われている状況です。現地パートナーが相当の「顔」を聞かせたのではないかと、私は考えています。

このようにヨックモックのドバイでの成功には、現地化(現地の嗜好に合わせる。現地に合った販売方法等)と現地パートナー(自社だけで展開するのか。現地パートナーと組むのか。現地の誰と組むのか等)という二つのポイントがあるようです。

日本企業が陥るドバイの罠

ヨックモックのドバイでの成功の裏には、現地アラブ人の嗜好に合った味や現地パートナーによる相当の支援が合ったと考えられます。この二つの要因が揃ったからこそ、ドバイで成功したのです。しかしドバイに関する多くの日本の報道では、別のポイントが強調されがちです。

販売価格は日本の2.7倍という高価格になっている。だが、人口差を考えたとき、UAEでの売れ方の勢いがわかる。<span class="su-quote-cite"><a href="http://toyokeizai.net/articles/-/40141" target="_blank">東洋経済ONLINE</a></span>
予算という概念はないのか、というような買い方なんですよね<span class="su-quote-cite"><a href="http://toyokeizai.net/articles/-/40141" target="_blank">東洋経済ONLINE</a></span>

これらは確かに事実だと感じます。私の知っている事例でも、日本とは比較にならないお金の使い方をしていらっしゃいます。このような記事を読んで「日本製品なら高く売れるに違いない」「日本製品の良さは必ずわかって頂ける」と思う方も多いようです。

確かにアラブ富裕層はお金を持っています。日本の富裕層では想定できないお金の使い方をします。しかし、闇雲にお金を使うわけではありません。お金を払うことに値する価値、見栄、面子等があるとかれらが感じなければ、一円も払いません。かれらは、世界で最も厳しい気候を生き抜いてきたアラブ商人の末裔なのです。お金に関しては、非常にシビアです。

海外進出で成功するためには日本国内と同様に、

  • 現地のお客様に支持されなければなりません。
  • そのためには、現地の方の嗜好に合わせ、かれらが望んでいる方法で提供することが重要です。

この課題を解決する方法の一つが、現地パートナーです。外国企業とのコミュニケーションの難しさ等から、現地パートナーとの協働を避ける方もいらっしゃいます。しかし海外進出成功の為には、海外パートナーとの連携は必ず検討すべきです。