マレーシアでビジネスして分かった。出張を避けるべき時期‼

2019-05-17マレーシアビジネス日記

「どうしてもアポイントメントが取れないんです。何とかなりませんか?」

このようなお願いを頂いたことが、何度かあります。日本とは文化、習慣、事業年度が異なるマレーシアでは、ビジネスのリズムも異なります。マレーシアで5年間、日本企業のマレーシア進出をコンサルティングしてきた経験から、マレーシア出張を避けるべき時期をお教えしましょう。

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マレーシア出張を絶対に避けたい期間

マレーシア出張のアポイントメントが、難しい時期です。不可能とは言いませんが、特別のアレンジが必要になる場合が多いです。ビジネスオーナーであれば、好意で私的にアポを入れてくれる方もいらっしゃいます。

ハリラヤ

イスラム教徒とのアポイントメントには、注意が必要です。イスラム教徒の断食月明けの祝日で、マレーシアの公式の祝日は二日間です。しかしながら、この祝日に合わせて、前後にお休みする方も多いです。また、ハリラヤ明けの一週間は、ラマダンでスローダウンしたビジネスが正常に復帰する期間でもあります。ハリラヤは、イスラム教徒が使用しているヒジュラ歴(純粋太陰暦)に基づいています。そのため、毎年11日間程、私たちが使っているグレゴリオ暦とずれていきます。

クリスマスから新年

キリスト教徒も多く住んでいるマレーシアでは、クリスマスから新年にかけてお休みを取る方も多いです。欧米企業の駐在員も、この時期にはお休みを取るようです。日本もこの時期は年度末で忙しいので、この時期に出張を組む方は多くないと思います。
公式の祝日は、12月24日、12月25日、12月31日、1月1日です。多くのマレーシア人は、1月2日から普通に働いています。

チャイニーズニューイヤー

すべてのマレーシア人とのアポイントメントに、注意が必要な時期です。日本でいうところの旧暦の新年です。2月上旬頃になります。この時期は、中華系マレーシア人はしっかり休みます。公式の祝日は2日間しかありませんが、中華系オーナー企業の多くは、一週間がっちり休みます。経営層だと、2週間程休む方もいらっしゃいます。
チャイニーズニューイヤーで注意しなければならないことは、中華系以外のオーナーの企業もこの時期同様に忙しいことです。なぜなら、かれらの企業で働いている中華系マレーシア人の全員が、休みを取るからです。

独立記念日

マレーシアの独立記念日は、8月31日と9月16日です。この記念日には、多くの公式行事が行われます。そのため政府関係は、この前後時期が多忙です。

マレーシア出張に注意が必要な日

普通にビジネスは行われていますが、事前に十分な確認が必要と考えられる時期です。

ラマダーン

イスラム教徒の断食月です。中東と違いマレーシアやインドネシアの場合、ビジネスは普通に回っています。しかしながら、いつもよりはスローダウンすることは、避けられません。イスラム教徒のスタッフだけ早めに帰宅したり、家族や友人とブカプアサを楽しむため、夜の予定が詰まっています。この時期に、メッカに巡礼に出かける方もいらっしゃいます。

また、イスラム教徒の多くが昼間は断食しています。そのため、昼間の会食はできません。それ以外のミーティングは問題ありませんが、かれらは基本的に水分も取りません。配慮が必要です。

スクールホリデー

マレーシアの学校は、年に二回程、長期の休みがあります。6月は約二週間、12月は約一カ月半お休みです。このお休みには、長期休暇を取って家族旅行に出かける方も多いです。

祝日

マレーシアの祝日は、日本と異なり全国一律ではありません。州ごとにお休みが違います。クアラルンプール地域には、政府直轄のクアラルンプールと、その周辺のセランゴール州で構成されています。そのため、クアラルンプールにある政府機関はオープンしていて、セランゴールにある政府機関はお休み、ということも発生します。また、宗教ごとの祝日もあります。その点についても、配慮が必要です。

出張前にはその国の休日や習慣を再確認

私の所にアポイントのお願いがくる場合の多くは、最後の最後です。

「視察旅行を受注したがアポが取れない。(旅行会社)」
「日本側の都合でどうしてもこの日にしか行けない。(企業)」
「何とかして・・・。」

どんな時期でも、何とかすることはできます(100%ではないですが・・・)。スペシャルなアレンジには、それなりに費用が掛かることもあります。運よくアポが取れても、本来の目的を達成できないアポであれば、時間と視察費用の無駄になってしまいます。

これはマレーシアに限ったことではありません。

出張前には、その国の休日や習慣を再確認することをお勧めします。